- コラム
- 投稿日:2024.01.29
- 更新日:2024/11/18
江戸時代の漬物は、庶民の食卓を彩る「ごちそう」だった?!
江戸時代の漬物は、現代のように「箸休め」としてだけでなく、ご飯のおかずや主食としても食べられていました。江戸の人々にとって、漬物は欠かせない食材だったのです。江戸時代の漬物は、どのように作られ、どのように食べられていたのか。その魅力に迫ります。
漬物の存在
江戸時代の庶民の食卓には、漬け物が欠かせませんでした。漬物は、ご飯のおかずや主食として、また祝いの事や行事などの際にも食べられていました。江戸時代の漬け物は大きくわけて「塩漬け」「ぬか漬け」「酢漬け」の3つの方法で作られていました。
塩漬けは、野菜や果物に塩をまぶして、水分を抜いて発酵させる方法です。最も基本的な漬け方であり、江戸時代の家庭でもよく行われていました。代表的な塩漬け漬物には、きゅうりの塩漬けや大根の塩漬けなどがあります。
ぬか漬けは、野菜や果物をぬか床に漬け込んで発酵させる方法です。ぬかには、乳酸菌や酵母などの微生物が含まれており、野菜や果物の旨味を引き出すとともに、保存性を高める効果があります。代表的なぬか漬けには、たくあん漬けや千枚漬けなどがあります。
酢漬けは、野菜や果物に酢や砂糖などを加えて漬け込む方法です。さっぱりとした味わいが特徴です。代表的な酢漬けには、すぐきや浅漬けなどがあります。
江戸時代の漬物は、野菜を保存するための手段としてだけでなく、食卓を彩る「ごちそう」としても親しまれていました。そのため、さまざまな種類の漬物が作られ、地域ごとの特色も生まれました。例えば、東京の「千枚漬け」は、聖護院かぶらを薄切りにして、酢や砂糖、塩などで漬け込んだものです。華やかな見た目とさっぱりとした味わいが特徴です。また、京都の「たくあん漬け」は、大根を塩漬けして、さらに酢や砂糖などで漬け込んだものです。しっかりとした歯ごたえと豊かな旨味が特徴です。江戸時代の漬物は、現代の私たちの食生活にも大きな影響を与えています。現代の漬物には、江戸時代の漬物作りの知恵や技術が受け継がれています。
江戸時代の漬物が庶民の食卓を彩る「ごちそう」だった理由
江戸時代の庶民の食生活は、現代と比べてかなり粗食でした。主食は米でしたが、その量も少なく、おかずは野菜や魚介類、豆腐などのシンプルなものが中心でした。そんな中、漬物は、貴重な栄養源として重宝されていました。漬物には、ビタミンやミネラル、食物繊維などの栄養素が豊富に含まれているため、栄養バランスを整える役割を果たしていました。また、漬物は、さっぱりとした味わいで食欲をそそり、ご飯のおかずや主食として美味しく食べられました。そのため、庶民の食卓を彩る「ごちそう」として親しまれていたのです。
江戸時代の漬物は、単に保存食としてだけでなく、栄養源や食の楽しみとして、庶民の生活に欠かせない存在だったのです。
家庭での手軽なレシピ
江戸時代の庶民の食卓には、さまざまな漬物がありました。その中でも人気があったのが「なます」です。なますはきゅうりや大根などの野菜を薄く切って、酢や砂糖などで和えただけのシンプルな漬物ですが、そのさっぱりした味わいが好まれました。
★材料
・きゅうり 1本
・大根 100g
・酢 大さじ2
・砂糖 大さじ1
・塩 小さじ1/2
★作り方
・きゅうりと大根は薄切りにする。
・ボウルにきゅうりと大根、砂糖、塩を入れて加える。
・冷蔵庫で30分ほど漬け込む。
★ポイント
きゅうりは、塩もみして水気を飛ばしておくと、味がしみ込みやすくなります。
大根は、薄切りにすることで、味がしみ込みやすくなります。
酢と砂糖の量はお好みで調整してください。
季節ごとの特色のある漬物
江戸時代の漬物は、季節ごとの旬の野菜や果物を使って作られていました。そのため、季節ごとにさまざまな種類の漬物が楽しめました。
春
- 春は、新鮮な野菜や果物が豊富に収穫される季節です。
- ・きゅうりの塩漬け
- ・大根の塩漬け
- ・菜の花の浅漬け
- ・筍のぬか漬け
- ・山菜の漬物
夏
夏は、暑さで食欲が落ちる季節です。そのため、さっぱりとした味わいの漬物が好まれました。
- ・なます
- ・浅漬け
- ・すぐき
- ・たくあん漬け
- ・梅干し
秋
秋は、紅葉や収穫の季節です。
- ・きゅうりの塩漬け
- ・大根の塩漬け
- ・山菜の漬物
- ・柿の漬物
- ・栗の漬物
冬
冬は、寒さで野菜や果物が不足する季節です。そのため、保存性が高く、栄養価の高い漬物が重宝されました。
- ・たくあん漬け
- ・千枚漬け
- ・しば漬け
- ・沢庵漬け
- ・梅干し
江戸時代の漬物は、季節ごとの旬の食材を活かした、豊かな味わいが魅力です。現代でも、季節の漬物を楽しむ習慣は残っています。
漬物作りの家庭の工夫と秘伝
江戸時代の家庭では、漬物作りが日常的に行われていました。そのため、さまざまな工夫や秘伝が生まれました。
野菜や果物の選び方・塩加減・漬け込み時間を意識することでより、美味しく、保存性の高い漬物を作ることが出来ます。また、漬けこみ中に野菜や果物を軽くもんだり、何度か取り出して塩や水分を調整するなど手間暇をかけ作っていたそうです。
江戸時代の家庭の工夫や秘伝は、現代の漬物作りにも活かされています。ぜひ、これらの工夫や秘伝を参考に、ご家庭で美味しい漬物を作ってみてください。
よくあるご質問
Q.【江戸時代に流行った食べ物は?】
A.江戸時代は、日本の食文化が大きく発展した時代で、庶民の生活が安定し、都市が発展するにつれて、様々な食文化が生まれ、流行しました。江戸時代に流行った食べ物として、お寿司・天麩羅・蕎麦・鰻の蒲焼・おでんなどです。いずれも屋台で気軽に食べられる庶民の食として、 やがては座敷で食事ができる居酒屋や料理茶屋が増え始め、中庭のある高級料亭なども登場していきました。
Q.【江戸時代の庶民はどんな食べ物を食べていた?】
A.江戸時代後期には、米の生産量が増え、庶民でも白米を主食とするようになりました。三食とも、ご飯に味噌汁・漬物という「一汁一菜」が基本でおかずは、豆腐、納豆、煮物などが一般的で、魚を食べる機会は多くありませんでした。
Q.【江戸時代の食事は何食でしたか?】
A.江戸時代の食事は、現代のように3食しっかり食べるというよりは、朝夕の1日2食が一般的でした。労働時間や食料保存の関係により、多くの庶民は経済的に余裕がなく、食費を節約するために1日2食で済ませていた人も多かったと考えられます。
#江戸時代 #漬物
店長:豊田勝之
自称キムチ研究家の豊田です。辛いもの・韓国料理・韓国珍味が大好きで、全国のお客様に喜んでいただける商品を日々試行錯誤しながら作っています。
まだまだ納得いくものはできていないと思っていますので、引き続き頑張ってまいります!